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横浜市市民局と横浜市男女共同参画推進協会は、東日本大震災の被災地の状況を検証し、男女共同参画の視点を踏まえた防災は、どのようにあるべきか、また被災地での現状がどうであったか、などを語り合うシンポジウム「災害・防災の視点を」を2月29日(水)午後、フォーラム(男女共同参画センター横浜)で開催した。 第1部は堂本暁子(前千葉県知事)氏の基調講演。阪神淡路大震災の状況を踏まえ「女性から見た諸施策のあり方」調査や提言(例:防災フォーラム2005)、国や自治体の動き、東日本大震災の被災者訪問での状況を説明、災害時には、いかにネットワークが大事かということを再確認した。また被災当事者の意見を反映させることが「真の参画」で、女性、障がい者などへの配慮も併せ、女性の力を活用することをすべきだ、と語った。 第2部は、 横浜市男女共同参画推進協会の山崎氏が、「災害時における男女共同参画センターの役割」を、東日本大震災被災地を中心にインタビュー調査した結果を含め報告。平常時にできていないことは、緊急時にできない。発災時には日頃の訓練とそれによる自分で判断し行動出来ることが大切。防災・復興のあらゆるプロセスに男女共同参画の視点を入れていくことがセンターの役割。それには復興のあらゆる場・組織に女性の参画の促進を、と訴えた。 第3部は堂本氏、もりおか女性センター長の田畑八重子氏、元福島県職員での矢野和彦氏によるパネルディスカッション。田畑氏は、被災とは日常が非日常になることで、支援とは「人の力」を回復させ、その人らしさ、こだわりを積み上げ、日常に戻していくことだ。非日常状態では保守化し、女性の意見は通らず、DV、レイプなどが発生し、女性特有の身体的異常へ。課題として、女性への暴力防止・根絶、孤独死・自死防止対策、女性と防災の学習強化(避難所シミュレーション)、復興委への提言を挙げた。 矢野氏は、2500名を超える被災者を抱え県内最大規模の「ビッグパレットふくしま避難所」の運営支援チーム責任者としての経験を基に、まず「災害のプロはいない。災害が起こることで、抱えている課題が顕在化する。」と話す。避難所の状態は、人が死ぬかもしれない、時間の止まった場所であった。この状態は人権の問題だ。ある女性は「毎日が恥ずかしい」と語った。避難所運営は男性だけ、着替えや授乳のための仕切りもない。生理用品の配布が男性で受け取り難かった。清掃や食事作りは女性に集中。子どもを静かにさせろの声など、切実な女性特有の悩みが蔓延。そして女性の安心・安全を守り、女性同士の交流の場として日本で初めてといわれる『女性専用スペース』を設置し、福島県男女協働センターと郡山市内の女性団体等が連携・支援を行ったことが説明された。 堂本氏は、これら報告から、この会が考え、話し合うきっかけになるよう願っている、と締めくくった。 ※横浜市防災計画(抜粋):第1部 第1章 計画の方針 第4節 人権尊重、男女のニーズの違いへの配慮 に「方針決定過程や地域活動への女性の参画を促進するなど防災対策に、男女共同参画の視点を取り入れ、本防災計画のすべての事項を通して男女のニーズの違いへの配慮を行います。」 ※東日本大震災復興基本法第2条2:被災住民の意向が尊重され、合せて女性、子ども、障がい者等を含めた多様な国民の意見が反映されるべきこと。 |