トップ |ボランティア関係 |イベント・講座 |高齢者支援 |障がい者支援子育て仲間 |地域の活動 |災ボラ連絡会 ボラネット |

外国人に学び 考える
大震災と地域社会づくり
YOKE セミナー

  ディスカッションも活発に
  ディスカッションも活発に
  “大震災に学ぶ〜「地域社会づくり」を外国人と考える”が、2月9日(土)横浜市国際交流協会(YOKE)と多文化共生マネージャー全国協議会の共催で、横浜市中区新港のJICA横浜セミナールーム「かもめ」で行われた。
 泉区の災害ボランティアの一員としての立場から、テーマが災害時における外国人支援ということに関心があったことに、また当区にあるいちょう団地地区の「多文化まちづくり工房(早川代表)」のメンバーであるニャン君の登壇があると聞き参加した。
 当セミナーの趣旨は「外国人と日本人が、ともに地域社会を作るのに必要なことは何でしょうか。大震災の体験をきっかけに自ら動き始めた外国人や地域で活動する防災リーダーにその声を聴き、会場の参加者とともに考えます。」と紹介された。

発表者は、1)大震災の経験と外国人への支援活動として、
          @ 佐々木アメリアさん(フィリピン出身・主婦)東日本大震災被災、宮城県三陸町
          A 大城ロクサナさん(ぺルー出身・主婦)阪神・淡路大震災被災、神戸市
        2)横浜における、外国人との地域社会づくり
          @ グェン・ユイ・ニャンさん(ベトナム出身・男性独身、横浜市)
 
高校生も参加の会場  
高校生も参加の会場  
 アメリアさんは震災後は、それまでの引っ込みがちだった妻の立場から、逆に誰よりも頑張ろうと、みんなを引っ張り、時には泣きたいこともあったが、1年間は泣かないと決めてきた。周囲から、フィリピン女性は明るいと言われるまでになり、地域に暮らす同国女性の自立支援に立ち上がり、日本語教室・料理教室などを開いている。自身、日本語は理解できたが、震災時にはパニックに陥ったと述懐。

 ロクサナさんは、来日4年目に震災に遭遇。日本語はほとんど分からず、「避難所」がどこにあるかも、また自宅は海岸線に近かったが、「津波」という言葉も分からなかった。スペイン人は少なく、避難所でも孤独感で悩んだ。このまま帰国したいと思ったが、周りの日本人が助け合っているのを見て、がんばろうと痛感した。その後、スペイン語情報誌の発行、「FMわいわい」でスペイン語番組を担当、同国出身市民のコミュニティづくりに活動している。

  多文化活動を説明にニャン君
   多文化活動を説明するニャン君
 ニャン君は、いちょう小学校で日本語を習得、いちょう団地地区で活動する「多文化まちづくり工房」のメンバーとして、地域防災組織「TRYangels」の中心者として活躍。その他、地域の行事や母国語での広報活動に参加。「いすゞ」に勤務しながら、多くの外国籍の友人と交流を深めている。

 それぞれが発表の後、ディスカッション〜「地域社会づくり」を外国人と考える〜に移る。その中で、アメリアさんの「外国人というより、地元の人・・になりきった感がある」という言葉。ロクサナさんの「もう戻らない」という決心。ニャン君の「お二人の実体験を聞き、もっともっと意識を高めたい」との決意。・・・それぞれが、参加者の胸をうった。
 二人の女性からは、ニャン君の地元での活躍が称えられ、地元へ帰ったら若者に伝えたいと発言があった。

 共通点は、震災前後では意識の格差が大きく違ったということ。日本の文化風習を理解する努力に積極的になること。こちらから挨拶をして、友人をつくること。外国人という意識を、日本人も捨てて欲しい・・・・など。
 外国人に学ぶ〜震災への心構え。高校生も見られた参加者の多くが、そのように感じたのではないだろうか?
 ニャン君(泉区)、堂々として若者らしく、新鮮な発表! ご苦労様でした! また、聴講して、彼等から学ぶことの多さを痛感した。(M/I)