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第265回 「泉区社会福祉大会」 第2部
元気の出るまち泉のツボ
子育て支援と地域の取組み

第2部は、体操&ストレッチで始まった  
第2部は、体操&ストレッチで始まった  
 第26回 『泉区社会福祉大会』 が3月1日(金)、泉公会堂で盛大に催された。 第1部、永年にわたり地域で福祉活動に尽力、貢献された方々への表彰式終了後、休憩を挟んで、第2部が行われた。

 第2部は、第2期(平成22年度から6年間)泉区地域福祉保健計画の推進イベント「元気の出るまち泉のツボ」として、@泉区保健活動推進員会による「体操&ストレッチ」 A子育て支援のツボとしての講演「イマドキの地域、イマドキの親」 B地元のツボとしての活動発表「身近な地域で取り組む“子育て支援”」が行われた。

 ストレッチで体がほぐれたところで、「子育て支援のツボ」講演は、日本福祉大学教授渡辺顕一郎氏を講師に迎え、【地域全体で支える子育て】について語ってもらった。

 日本の子どもは、孤独を抱えている子が多い、また自己肯定感を持てない子が世界の中でも突出しているほど多い。これは、ユニセフや日本青少年研究所の調査などでも、そういう傾向が出ている。その原因としては、社会関係が希薄化していること。子育てという次元で見ると、タテ世代の経験の受け渡しが切れている。従って、子育て世代はタテに頼れない、また地域での大人との交流も減っている。そのため、サロンや支援センターといったところに自ら出かけないと孤立する時代。子育てが家庭内に閉じ込められており、子どもの社会関係も希薄化、また、孤立する傾向が高まっている。
地域で支える子育ての大切さを語る渡辺教授と手話  
地域で支える子育ての大切さ
を語る渡辺教授
と手話

 さらに、親が子どもを守ることを優先するあまり、子ども同士の関係に親が介入しすぎる傾向(柏木恵子氏の“先回り育児”)により、子どもの自発性、他者への無関心や交渉能力が育たない。従って社会へ自立していくことができず、これが思春期まで続くと「引きこもり」になってしまう。


 子どもに自己肯定感を持たせるようにするためには、「役立ち感」を持たせること。相手が喜んでくれる姿を見ること、そういった経験が大事だ。子育てでは、誰でも不全感を持つが、うまくいかないのは当たり前。それでいいという受容を周りが与えること。親にとって「あなたの子どもは、可愛くて、いい子だよ」ということがその親にとっての評価であり、親にとって大きな力になる。それは、子どもにとってもだ。そんな地域の関わりを作ってほしい、と結んだ。
  発表者の皆さん
  発表者の皆さん

 活動発表としては、下和泉・富士見ヶ丘地区が地域子育て支援ネット連絡会、中川地区が多世代交流サロン永明寺別院サロンについて発表した。

 下和泉・富士見ヶ丘地区の子育てネットワークメンバーは、子育てサロン、児童委員、幼稚園、保育園、町内会、ケアプラザ、区社協、スキップ、区福祉センターなどで構成され、アンケート調査結果を参考に@養育者の声を地域に届ける、A支援者の輪を広げる、B子育てを理解してくれる人を増やす、ことを目標に進めてきた。そして中学生にも参加してもらうサロン交流会を開催。その結果、「参加して、すごく楽しかった」「中学生の参加が多くうれしかった」などの感想が寄せられた。その他寄せられた意見から、「お母さんたちの現状を把握し、養育者の声を聴き、情報交換をしていくことで、安心して子育てできる街になるよう、その時々に合った支援をしていこうと思っている」としていた。

 永明寺別院サロンについては、そのスタートの経緯、岡津小学校生徒とのかかわりの紹介があり、今や、乳幼児から高齢者、障害者などが集う多世代交流の場となっており、横浜市の福祉関係シンポジウムでも紹介された。参加者が多世代だけに、毎回のプログラムの作成が難しい。世代によって興味、やれることが異なるから。小学生が自作の紙芝居を発表したり、なぞかけ遊びをしてくれたりもしてくれている。このサロンでの「ほっとする時間」がお母さんにとって得難い時間となっている。 これから展望としては、@地域の福祉活動と意義について小学生にも話をしたい。A子育てママへの中身の濃い協力を。Bスタッフの充実、と思っている、としていた。