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Safety Kids いずみ”& 理学療養士 稲坂さん
 保育士さんへの「子どもの事故予防」講話
小学館アカデミー りょくえんとし保育園

  保育園スタッフたちの勉強会で指導する稲坂さん
  保育園スタッフたちの勉強会で指導する稲坂さん
 「今日は、参加型の講座にしたいと思います。まず、皆さんからこの講座で聴きたいことを出してください」と語り掛けるのは、理学療法士の稲坂恵さん。これに対し、一人ひとりから考えてきたこと、悩んでいることなどが出された。この講座の中で、これらについて話をしていく、としていた。
 
 今日は、小学館アカデミーりょくえんとし保育園の保育士、栄養士などスタッフたちの「子どもの事故予防」勉強会。当園は、今年4月に開園、スタッフたちはベテランから新卒といろいろ。「3か月乳児に保育士として、やるべきことは」「子どもにとって危険と思われることは、いろいろ。どこまで許容すべきか、やめさせるべきか」「不慮の事故が子どもの死亡原因の第1位。具体的なアドバイスを」などが出された。

 子どもの環境には、「ハザード」と「リスク」といった2つの危険がある。ハザードは、子どもには予測できず、大きなけがをする危険。遊具の壊れ等で、保護者たちの責任です。一方、リスクは、子どもが挑戦し、失敗する体験を積み重ねることで、危機回避能力を高める役割のあるもので、冒険遊びといわれるもの。この2つを、まず理解してほしい。次に、幼児、子どもの特徴を考えてみましょう。傷害を受けやすい、ということから見ると、例えば、頭が大きくて重い、筋力が弱いということで、転落・転倒し易い。皮膚が薄い、表面積が小さいことで、やけどが重症化しやすい。のど・手足の機能が不十分で、窒息しやすい。視野が狭く、反応が鈍いことで、ぶつかりやすい、といったことをスタッフたちとのやり取りの中で、導いていく。

 年齢別に事故の原因を見ると、0歳児は窒息が全体の78%。率は異なるが、窒息、おぼれ、転倒・転落は常に子どもの事故の上位を占める。2歳以上では交通事故がトップとなるが、火災も2歳から入ってくる。窒息、転落、おぼれ、首つり、熱中症などの具体例を挙げ、なぜ事故となるかを含め説明していく。食品による窒息で死亡する人は年間4000人、1日に約11人。子どもは食べる機能がまだ低く、また気管の直径は成人の半分未満のため、容易に気管が塞がれてしまう。

 アメリカでは(州によって詳細は異なるが)12歳以下の子どもだけで留守番をさせることは違法になるため、特別裕福な家庭でなくても、共働きでなくても、ベビーシッターを利用します。基本的にその担い手は中学生〜大学生までの学生。つまり面倒を見る側も、まだ子どもです。これはベビーシッターのルールです、として緊急事態への備え、けが予防、転倒・転落予防、中毒予防、やけど予防、おぼれ予防、窒息などの予防といったチェックリストを示し、ベビーシッターが来ると、まずこれに基づきチェックしていくことになっている、とした。これら一つ一つが、皆さんの参考になると思う、としていた。
「どっちが、よい子?」かみしばいを演じる太田さん  
「どっちが、よい子?」かみしばい
を演じる太田さん
 

 
 当園では、まだかみしばいが理解できる園児が少ないため、何年か後には活用してもらいたいとして、実例に基づいて作られた「子どもの事故予防かみしばい」をスタッフたちに参加してもらいながら、“Safety Kids いずみ”代表の太田さんが演じた。季節がら、川遊びでの場面、花火遊びでの場面を、5歳児に向って行っているままに演じていた。

 当園では開園以来、子どもの事故予防、避難訓練などに取り組んできたが、この講座をきっかけに、スタッフたちと話し合いながら、さらに進めていきたいと、高橋園長は語っていた。