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多文化共生社会の形成が課題
少子高齢化、人口減少と外国人増加を背景に、


講演する江尻氏
 『世界で最も急速に進む少子高齢化、人口減少時代への突入、一方、在日外国人の増加・定住化によって日本は既に多民族化に向かっている。「単一民族・単一文化」 の日本には、もはや逆戻りできないのでは。近い将来、「いちょう団地」に近い状況が全国各地で見られるようになる。「いちょう」 の取組みは、未来を先取りした実践では』とも評価されている、と話すのは、8月8日(水)午後、泉公会堂で行われた生涯学級:波紋(代表:中島忠明氏)の月例会で講演した江尻哲二氏。

 『国際化』の時代といわれているが、日本国内における国際化、すなわち多民族化の実態については、あまり知られていない。日本の外国人登録者数は208万人、10年間で1.5倍に。歴史的経緯のある朝鮮半島出身者、中国帰国者関係、インドシナ難民関係、ブラジルなど南米からの人たち、国際結婚での外国人など、在日外国人は多様化している。

 特に、外国人集住都市の各地で滞在の長期化に伴い、日本の文化・習慣への適応、子弟教育、青少年犯罪の増加、
パワーポイントで説明
パワーポイントで説明
就労をめぐるトラブルや医療保険・年金未加入など就労環境に関わる問題など様々な分野で問題が表面化し、日本社会にいかに適応し、地域社会と共生していくかが大きな課題となっている。

 中国残留邦人帰国者とその家族、ベトナム、カンボジアなどのインドシナ難民とその家族を中心に外国につながる住民が多くいる 『いちょう団地』 の過去からの経緯や現状について説明していた。同地区小学校では57%が、保育園では83%が外国につながる子どもであることや、当地で抱えている問題点を外国籍の人も含め、自治会、学校、保育園、区役所、社協、ボランティア・グループ、大学など関係者で構成されている「いずみ多文化ネットワーク」 において、日本人も外国人も同じ地域住民として、仲良く安心して暮らせる 「まち」 にすべく、種々検討・対応が行われている状況についても語っていた。